不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「涼君 送ってくれてありがとうね」
「い、いえ」
家の前で
「志織さんに『ごちそうさまでした』って伝えておいてね」
「はい。じゃあ先輩」
「うん。またね。気をつけて帰ってね」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
涼君が自転車で帰って行く。
その後ろ姿を見送りながら
本当に羨ましいくらいに真っ直ぐなんだ。
涼君と付き合ったら…きっと楽しいと思う。
きっと嘘はつかないだろう。
……
…
千恵には『もう関係ない』って言ったけど…
何処かで引きずっている。
こだわっている。
一歩踏み出すのを怖がっている。
……
…
私、こんなに弱虫だったのかな?
いつも強い、ポジティブだと思っていたけど…