不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「あら凛ちゃんに?」
お袋が俺にアイスクリームを渡して
「そうだよ。ピアノを弾いてる顔を見てパパに似てるって」
「ハハハ…凛ちゃんはよく見てるな」
親父が満更でもなさそうな顔
やっぱり娘が自分に似てるってのは嬉しいのかな。
「と言うことは涼にも似てるって」
「うん、たぶんそうなんだろうね。パパとお兄ちゃんは似てるもん」
嫌なことに。
確かに先輩に言われたもんな。
「あ~ぁ。陽菜はママだけに似たかったな」
充分似てるけど。
「陽菜、お前失礼だな。志織と俺の娘なんだから俺に似ていて当たり前だろ」
「母さんが浮気してない限りね」
「ん?」
親父がジロッと。
「涼、貴方は何を言うのよ。母さんが浮気なんてするわけないでしょう。… そんな機会もないし」
「ん?」
最後に小さい声で言ったのが親父にも聞こえていたのか
「志織、お前…機会があったら浮気」
「じ、冗談ですって。浮気なんて考えたことも…他の男性のことなんて考えたこともないです。私は恭介さん一筋です」
お袋…言い訳してんだけど、何か聞い てて恥ずかしい。
「陽菜、アホらしいから上行くぞ」
「うん。教育上悪そうだもんね」
陽菜の方がよく分かっている。
「ち、ちょっと涼、陽菜」
「クッククク…」
お袋あわあわ
親父大爆笑