不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「お兄ちゃん、お風呂入ったら。私達は入ったから」
「ん」
陽菜は部屋へ
俺は風呂へ
――
―
あ~気持ちいい。
湯船にゆっくり浸かり
――
―
「あら もうあがったの?」
「ん。親父は?」
「書斎よ。何か用があった?」
「ないよ。機嫌は直ったかなって思って」
「フフフ…大丈夫」
「そりゃ母さんが『恭介さん一筋です』なんて言ったら親父デレ デレだもんな」
「いやね、涼ったら。親をからかうもんじゃありません」
「ハハハ…母さん可愛すぎ」
「何よ、それ」
「お前は俺の奥さんを誘惑してんのか?」
書斎から出てきた親父が
「全く油断も隙もない」
「恭介さん」
「親父、何を言ってんだよ」
ホントお袋のこととなると
「ば~か!冗談だ」
「親父のはマジか冗談か分かりにくい んだよ。眉間に皺寄せて言うんだから」
「お前の頭が悪いのを棚に上げて何を言ってる」
ああ言えばこう言う。
ホント可愛いげがない。
「涼、もう部屋に行きなさい。此処にいたらいつまでもからかわれ続けるわよ」
「ん。じゃあお休み」
わざと親父を見てニヤッと笑い
「母さん…愛してるよ!」
チュッ!
頬っぺたにキスを。