不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第13章 片桐先輩
「よ、涼」
「はよ」
通学途中で悠に
「…どうかしたか?」
顔を覗き込んで驚いたように
「隈が出来てんぞ」
「ん、単なる寝不足」
「珍しいな」
「俺だって寝不足の時もある」
「そりゃそうだ。フッ」
何故か悠がニヤリと
「何だよ?」
「お前も普通の人間なんだなって」
「はぁ?何だよ、それ」
どういう意味だよ。
「だってさ、お前ほとんど欠点ないじゃん」
「へっ?」
学校に着いて駐輪場へ自転車を入れて部室へ向かう。
「お前、顔はいいし背も高いしイケメ ンだし頭もいいし運動神経いいしその上に性格までいいだろ」
「お前…熱でもあるんじゃねえか?」
何をわけの分からないことを。
「相変わらず無自覚だな」
「はぁ?どこがだよ。お袋じゃあるまいし」
「ハハハ… やっぱり親子だよ。お前は志織さんに似てるからな」
「……」
「その優秀なお前が寝不足するほどの悩み事があるとは。親友として嬉しいよ」
「お前は馬鹿か!」
「馬鹿はお前だ」
コイツは本当に何を言ってんだ、マジで。
「俺がお前の弱点だと思うのはたった一つ」
指を1本俺の前に出して