不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



昼からの授業も上の空で。

放課後クラブへ

何も考える暇もなくしごかれて

「よし今日は終わり」

「お疲れです」

着替えを済ませ部室を出たら

「あら藤倉君に尾崎君」

「片桐先輩」

千葉先輩を待ってたのか。

水島先輩が休みだから。

片桐先輩なら…

「先輩」

「うん?」

「ちょっといいですか?」

「涼」

「悠、悪い。ちょっと千葉先輩を待ってて」

「えっ?お、おい」

「片桐先輩、ちょっと」

先輩を少し離れた所に連れて行き

「どうしたの?」

「あ、すみません」

勢いで引っ張って来たけど…

「凛のこと?」

「えっ?あ、」

「昨日、藤倉君と尾崎君で助けてくれてありがとうね」

「先輩?」

誰から…

「凛からメールあった」

「そうなんですか」

「藤倉君」

「はい?」

「知りたい?」

「えっ?」

「聞こうと思って私を引っ張ってきたんでしょう?」

「は、はい。そのつもりでしたけど…」

「フフフ…本人がいないのに聞いていいのかって?」

「はい」

人の秘密を勝手に聞き出しすのはやはり…

先輩は知られたくないかもしれないし…

それが元で片桐先輩と気詰まりになってもらっても困る。


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