不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
お袋からメールが入り
『席取ってあるから』
親父達の隣かい。
会館前で
「涼」
「悠」
会場に入ると
「盛大だな」
わりと大きな会館が満員。
先輩のお母さんって凄いピアニストなのか?
「涼兄」
「大も来てたのか」
「うん。まあ兄達も来てる」
「叔父さん達もか?」
「うん」
一族勢揃いか。
大に案内され席に
藤倉一族と高藤一族黒崎一族勢揃いだ。
「間に合ってよかったわ。悠ちゃんもありがとうね」
「いえ。たまには陽菜ちゃんのピアノも聴きたいですから」
相変わらずコイツは如才がない。
前列に両祖父母に親父達と叔父さん達
後列に俺達や真人、和人、大に愛
「マジに華麗なる一族だな」
「悠?」
「みんなが見てる」
「……」
確かに視線を感じる。
だから親父達と一緒は嫌なんだよ。