不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「俺 飲みもん取ってくる」

ソファーから立ち上がると

「お兄ちゃん、アイス持って来て」

「アイス?」

「うん。私のと愛ちゃんのとまぁ君達は?」

「あ、食べたい」

「じゃあ9個ね。お兄ちゃん達も食べるでしょ」

「へいへい」

何でコイツにこき使われるんだよ俺。

キッチンに行って飲みもんを出してると

「涼君」

「…先輩」

凛さんがキッチンへ入って来た。

「手伝うよ」

「えっ?あ、ありがとうございます」

アイスを出してると

「涼君」

「は、はい」

「この間はありがとうね」

「えっ?」

「ちゃんと言わないといけないって思ってた」

「……」

助けた礼か?

「涼君…明日は練習?」

「は、はい」

日曜日でも練習はある。

「終わってから会えるかな?」

「えっと…遅くなりますよ」

練習は5時頃まである。

「うん。晩御飯奢るよ」

「えっ?」

「あ、但しファミレスだよ」

悪戯っぽく笑いながら。



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