不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第16章 先輩(5)
日曜日
「いってきます」
朝から練習に行く俺に弁当を渡して
「気をつけてね」
「ん。あ、母さん」
「はい?」
「今日…晩飯要らないから」
「食べてくるの?」
「あ、ん」
「分かった。あまり遅くならないようにね」
「ん。じゃあいってきます」
「いってらっしゃい」
家を出て学校へ
――
―
いつものごとくしごかれて練習が終わったのは6時前。
やっぱり遅くなったな。
急いで着替えをして携帯を掛けようとしたら
「涼、何か食いに行こう」
悠達からの誘い。
「悪い。今日はパス!ちょっと用事あるんだ」
「何だよ用事って?珍しいな」
「俺だってたまにはあるんだよ」
悠達をほったらかして部室を出て