不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「付き合ってみるとやっぱり優しいし一緒にいると楽しいしそれ にテニスも 色々アドバイスしてもらったり…好きになるのに時間は掛からなかった」
ズキッ!
俺は何気無さを装っているが胸がキリキリ痛みを訴えている。
「去年の夏ね」
「……」
「テニス合宿で怪我をして…もう選手としては無理だって宣告された」
「……」
「泣いて泣いて…悔しくて…自分の不注意のせいでテニスが出来なくなって…どん底だった。千恵がそれこそ私が自殺でもするんじゃないかって心配してたくらい」
「えっ?」
驚いて先輩の顔を見る。
「フフフ…心配しないで。未遂もしてないから」
「……」
「私にそんな度胸ないもん」
「度胸?」
「だってね涼君、考えてもみて」