不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「少しは落ち着いて…徐々に立ち直って…でもテニスからは離れたかった。 練習してるのもやっぱり見たくなかった」
ん。
それが普通だよな。
今まで打ち込んできたものを取り上げられたら…見たくないし近寄りたくないよな。
「でもね」
「……」
「彼の試合を見に行こうって思った。『来なくていいよ』って言ってはくれてたんだけど」
「……」
それだけアイツのことが好きだったのか。
「彼も気を遣ってくれてるんだって思ったし、だから応援に行って…もう大丈夫、吹っ切れてるよってところを見せようと」
「無理矢理に?自分の気持ちを押し殺して?」
そこまでするほど好きだったのか?
俺の顔を見て
「フフフ…涼君が考えてるような理由じゃないよ」
「えっ?」