不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「お待たせ致しました」
ランチが運ばれてきて
今度はみんな黙々と食べる。
「陽菜、全部食えるか?」
レディースランチといってもわりとボリュームがある。
「後からデザートもあるぞ」
「うん。お兄ちゃんご飯だけ食べて」
陽菜の皿から飯を俺の皿に移し替えて
「涼君ホントにいいお兄ちゃんなんだね」
「片桐先輩」
「いいなぁ陽菜ちゃん。優しいお兄ちゃんがいて」
「うん?まぁね」
おい!もっと感謝しろ。
「陽菜はね、お姉ちゃんが欲しかったんだ」
「そうなの?」
片桐先輩が聞いている。
「うん。だから凛ちゃんの妹になることにしたんだ。ね、凛ちゃん」
「ハハハ…そうね」
「うん。なのにパパったら」
おい陽菜…
お前は何を言う気だ?
「おじ様がどうしたの?」
デザートのシャーベットを食いながら
「凛ちゃんにお姉ちゃんになってもらうならお兄ちゃんと結婚してもらわな いとだって」
「えっぇぇ~凛と涼君が!」
片桐先輩、声がでかいです。
周りのお客さんがこっちを見てます。
先輩…肩が震えてます。