不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
――
―
ん?
「先輩」
2人を呼び止めて
「どうしたの?涼君」
「あれ…陽菜ですよね」
「えっ?」
俺が指差した先には陽菜っぽい女の子と男がいる。
「確かに陽菜ちゃんぽい。行ってみよう」
3人そっちに近寄って。
「だから嫌だっていってるでしょう!」
「だからはぐれたんなら一緒に探してあげるって言ってるだけでナンパしてるわけじゃないし」
「だからはぐれてないって!あんた耳悪いんじゃない」
「マジに気が強いな。可愛い顔してんのに」
「や、やめてよ」
男が陽菜の腕に手を。
「陽菜!」
俺の声に2人が振り向く。
「お兄ちゃん」
「…り、凛」
相手の男が俺達を見て顔色を変えた。
コイツは…
陽菜が俺の後ろに隠れて
「おい、お前、何やってんだよ?」
俺が詰め寄ると
「べ、別に」
「私がトイレから戻ろうとしたらわけ分かんないこと言ってついてくるんだよ」
「は、はぐれたようだから親切に」
「はぐれてないって何回も言ってんのに聞かないんだよ。耳悪いみたい」
男が陽菜を睨んだ。
だけど陽菜も負けてない。
睨み返している。