不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「私のお兄ちゃん。で、凛ちゃんの恋人なんだからね!うちのパパもママも凛ちゃんのパパママ達も公認のラブラブなんだから」
お、おい!
ひ、陽菜?
お前は何を。
先輩も千葉先輩もぽかんと陽菜を見ている。
もちろん俺も。
「恋人?嘘言うな」
「あんた本当に馬鹿じゃないの?お兄ちゃんの恋人だから妹の私も一緒に遊びに来てるんじゃない。凛ちゃんとお兄ちゃんが何の関係もなかったら一緒にいるはずないじゃない」
陽菜…
まぁ、適当にべらべら捲し立てられるもんだな。
俺の口挟む間もない。
「だけどコイツは先輩って」
「はぁ~どうしようもないなぁ」
わざとらしく溜め息まで。
千葉先輩が顔を背けて笑ってる。
俺も笑いたいんだけど、笑うわけにもいかず何とか耐えている。
「お兄ちゃんは凛ちゃんよりいっこ下なの。だから学校では『先輩』って呼ぶのは当たり前でしょ。あんたと違って凛ちゃんもお兄ちゃんもちゃんと常識あるから。今日だって千葉さんや千恵ちゃんも一緒だからお兄ちゃん学校の癖で『先輩』って呼んでるだけなんだから。ね~凛ちゃん」
先輩の腕にしがみついた。
急にふられた先輩が、ちょっと赤くなり
「え、えぇ、そう。学校ではみんなの手前もあるから『先輩』って呼んでもらってるの」
「……」