不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「だいたいね、あんた凛ちゃんに着信拒否されてる時点で普通は嫌われてるんだと気づくんじゃない?12歳の私でも分かるのに。本当に高校生なの?」
「な、なに、このくそガキ」
怒りで顔が真っ赤だ。
もうこれ以上怒らせると陽菜がヤバ い。
「おい、人の妹を『くそガキ』扱いすんな」
「なに!」
「お前、仮にもテニスの王子様なんだろ?凛を一度傷つけただけでも飽きたらずしつこくつけ回して…王子様の名前が泣くよな」
「煩い、お前に何が」
「あぁ。俺はあんたのこと何にも知らないし知りたいとも思わないよ。いや、さっさと俺達の前から消えてくれ。このままいくと俺、あんたを殴りたくなる」
「やるならやってみろ」
「やってもいいけど…警察沙汰になる。俺は覚悟は出来てるけど 、王子様、あんたテニス出来なくなるぜ」
「お前なんかに怪我されられるほど」
「…あんたマジに馬鹿だな」
「何?」
「警察沙汰つってんだ。テニス部退部、試合出場停止。もし大学から声かかってんならそれもご破算」
「……」
「警察で全て話したら喧嘩だけじゃなく12歳の陽菜をしつこくナンパしたことも全て明るみに出るよな。俺達が声かけなかったらお前、陽菜を無理矢理連れて行こうとしたんだろうし」
「そうよ、そうよ。私の腕を掴んだんからね。パパにバレたらあんた殺されるから。お兄ちゃんは殴るくらいだけどパパはそんなことで済まさないからね」
「陽菜、ちょっと黙ってろ」
「…お兄ちゃん」
せっかく加勢してるのに何で怒られるのかと不服顔。