不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「先輩」
「うん?」
俺に視線を戻して
「前にも言ったように先輩も俺もだけどテニスや野球に熱中して、それにしか頭を使ってないから…恋愛とかに疎いとこあって… それにアイツの性格がどうのなんてより先輩はアイツのテニスしている姿しか知らなかったんだから…惹かれるのは仕方ないんじゃないかな。テニスだけは本気でやってたんだからプレーには嘘はない」
「……」
「だから先輩はテニス選手としてのアイツに惹かれただけなんだから…アイツの内面が見抜けなかったなんて悔やむことは何もないと思います。上手く言えないけど」
「フフフ…ありがとう涼君」
やっと笑顔を見せた。
アイツが走り去ってから先輩はあまり話さず笑いもしなかった。
アイツの本性が見えてますますショックを受け自分を責めていたんだろう。
「先輩、何回も言いますけど俺達はまだ未成年、子どもなんだから色んな失敗するのは当たり前なんだから」
本当に自分に厳しすぎる。
もうちょっと楽にしてもいいのに。