不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「ねぇ、凛ちゃん楽しかったね」
「フフフ…そうだね」
陽菜は先輩の家に着くまでずっと『楽しかった』を繰り返し先輩に引っ付い ている。
俺の口の挟む隙間すらない。
「涼君、送ってくれてありがとうね」
先輩の家の玄関先で
「いえ。こっちこそありがとうございました。俺も楽しかったです」
「うん、私も。また行こうね」
先輩…
先輩がニコッと。
「うん。凛ちゃん行こうね。お兄ちゃんも連れてあげるね」
「……」
「フフフ…」
何処までも自分中心な奴だ。
これには先輩も笑うしかないよな。
「フフフ…そうだね。じゃあ、おやすみなさい。涼君また明日学校でね。陽菜ちゃんは来週のレッスンの日にね」
「は~い。じゃあ凛ちゃん、おやすみなさい」
「先輩、失礼します。おやすみなさい」
先輩と別れて家へ。