不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
帰ると、もう親父達も帰っていた。
陽菜が2人に今日のことを事細かく話している。
但し、あの男のことだけはさすがに話さなかった。
陽菜も話していいこと悪いことが選別出来るようになったようだ。
ちょっとは成長してるな。
って俺は親父かい!
――
―
親父達や陽菜をほっといて先に風呂に入り自分のベッドに倒れ込む。
はぁ~
何か色んなことがあった一日だった。
だけど先輩と腹を割って話せた気がする。
あの男と出会ったのは…逆の意味でよかったのかもしれない。
先輩も吹っ切れただろう。
でもアイツ…
もう先輩にちょっかいかけないだろうか。
フラれたこと等ないだろうし。
それに心配なのは陽菜だ。
アイツのことをあそこまで虚仮にしたんだから。
それに陽菜が俺を先輩の恋人だと言った。
信じたかどうかは分からないが変に逆恨みをしないかだ。
あのタイプは自分のプライドが妙に高い。
それを傷つけられたなら…
先輩には学校に行けば片桐先輩や俺達がいるからいいが。
それに先輩も強いから大丈夫だが。
暫く陽菜に注意…
だけど怖がるか、そんなことを言ったら。
親父達に言うわけにもいかないし。
中学生の陽菜を見張ることなんて無理だし。
仕方ない。
怖がらせない程度に注意だけはしておこう。