不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「昨日…何があった?」
「……」
「陽菜ちゃんが一緒だけなら寝不足とかないよな」
「……」
「俺には話せないことか?」
「…昨日な」
「うん」
やっぱり悠には話しておこう。
先輩だけでなく陽菜のこともあるし。
コイツも陽菜を妹みたいに可愛がってくれてるし。
「実はアイツに…」
陽菜がナンパされたことから始まり全て話した。
「はぁ?陽菜ちゃんをナンパって!陽菜ちゃんはまだ中1だぜ。 ソイツ…色情狂かよ?」
色情狂って…どこからそんな言葉が出て来るんだよ。
「んで、陽菜ちゃん大丈夫なんだろうな?」
「あぁ。アイツは負けてない。だからよけいに」
心配なんだ。
「逆ギレして何すっか分からないよな、馬鹿なナルシストは」
「悠、お前さ…何か凄い言葉が出るんだな」
「お前…変なこと感心すんな」
「あ、悪い」
コイツが激昂する分、俺は反対に冷静になれる。
「陽菜ちゃんには注意しといた方がいいんじゃねえか?」
「そうなんだけど…アイツが俺の言うこと素直に聞くか?いや、 その前に怖がらせたくはない」
「確かにな。も一つよく分からないだろうし」
確りしてるとはいえまだ子どもだ。
「アイツに会っても無視しろくらいしか言えないな」
「あぁ。悪いな。悠にも心配かけて」
「何言ってんだよ。陽菜ちゃんもだけど水島先輩のことがお前は心配なんだろ」
「あぁ」
キンコーンカンコーン
あ、昼休み終りだ。
屋上を後にして
「ま、とにかく俺も注意するわ」
「あぁ、頼む。じぁあな」
悠と別れて教室へ。
――
―
昼からの授業も上の空で殆ど頭に入らず授業は終わった。