不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「涼」

「はい」

次は俺か。

「その人…凛ちゃんに付きまとってるの?」

「ん、先輩もビシッと言ったからもう付きまとわないとは思うんだけど」

「ママ大丈夫よ。アイツに凛ちゃんにはお兄ちゃんがついてるんだからって言ったもん。『お兄ちゃんは凛ちゃんの恋人なんだから』って」

「えっ?」

「はぁ?」

親父とお袋の声が被った。

「凛ちゃんが涼の恋人って」

「いつからだ?」

また被ってるし。

どんだけ息が合ってんだよと関係ないことを思う。

「涼?」

「あ、あぁ」

どう言おうかと考えてると

「もちろん嘘に決まってるわよ」

すかさず陽菜が割り込んでくる。

「嘘?」

「うん。凛ちゃんに恋人いたら諦めるだろうと思って」

「……」

「ハハハ…そういうことか」

親父が俺を見て笑ってるし。



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