不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「恭介さん!と、とにかく涼、凛ちゃんをお願いね。その男の子から凛ちゃんを」
「ん、分かってる。先輩は強いし片桐先輩達もいるから大丈夫だ 。でも…」
俺が陽菜に目を移すと
「陽菜、その男の子に会っても絶対に無視するのよ。それでも何かされそうになったら防犯ブザーを押しなさい。 分かったわね」
「ママ」
「パパとママに約束してちょうだい」
「は、はい」
「ん。陽菜はいい子だ」
「陽菜、極力1人にならないのよ。学校の帰りは友達と一緒に帰ってくるのよ。何かあったら直ぐに電話しなさい。それとお祖母ちゃんの家に行きなさい」
「はい」
今日のお袋は親父よりも強い。
仕事をしているから家に、俺達といることが少ないから余計に心配しているようだ。
「さ、これでもういいだろ。志織、陽菜、風呂に入って来い。陽菜はもう寝る時間だ」
「あ、そうね。陽菜」
「うん」
「涼も宿題してしまいなさいよ」
「ん」
この辺は未だに小学生並みの扱いだ。
リビングを出て自分の部屋へ。