不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「陽菜ちゃん、陽菜ちゃん…」
その顔を見るとまた先輩は陽菜を抱き締め
「ごめん、ごめんね」
陽菜に謝る。
「凛ちゃん、何で謝るの?凛ちゃんは陽菜を助けてくれたじゃない。謝ることなんて何にもないよ」
「そうよ凛ちゃん」
お袋が2人を抱き締めるように
「あの人は貴女達には何の関係もない人なの。もう忘れなさい。 ね、陽菜、凛ちゃん」
「ママ…うん。凛ちゃんもう忘れようよ。ね」
「……」
「ね、凛ちゃん」
「う、うん、そうだね」
「じゃあ凛ちゃん約束」
陽菜が小指を出して
「指切りしよ」
「陽菜ちゃん…うん」
先輩も小指を差し出して陽菜と指切りを。
それを見ていた俺達は今晩初めてほんわかとした気分になった。