不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



親父と交代で風呂に入って

「陽菜は?」

リビングに行くと親父がビールを飲んでいた。

「今やっと寝たわ」

医者から化膿止めだと偽って出された精神安定剤を飲んで眠ったらしい。

「はい」

「サンキュー」

アイスティを俺に渡してお袋も親父の隣に座る。

「明日が土曜日でよかったわ」

「あぁ。だが陽菜は暫く学校は休ませるから志織も有休取って陽菜についていてやれ。陽菜1人では危ない。藤倉に預けても陽菜が気を使うだろうから」

「はい。じゃあ申し訳ありませんが2、3日お休みさせて頂きます」

「ん」

あの顔じゃ、みんなから『何があった?』って聞かれるのは目に見えてる。

聞かれる度にまた思い出してパニックを起こす可能性もある。

せめて顔の腫れが引くまでは学校には行かない方がいい。



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