不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「凛ちゃんと陽菜には警察も話していないんだが」

親父がおもむろに

「アイツの机の引き出しから凛ちゃんの写真が出てきた」

「先輩の?そ、そりゃ付き合っていたことがあるから写真も撮ってるだろ」

「……」

「違うのか?」

いや、写真があったとしてもそれを先輩や陽菜に隠す必要はないだろう。

「試合をしている写真で…カッターで滅多突きにされていた」

「はぁ?」

滅多突きって…

「えっ?恭介さん、それって」

お袋の声が震えている。

「あぁ。かなりの逆恨みだ。自分がどれだけ凛ちゃんを傷つけたか忘れて、と言うか傷つけた自覚すらなくてテニスで上手くいかなくなったのも学校でみんなから疎外されてるのも全て凛ちゃんのせいだと」

「学校で疎外?」

どういう意味だ?

スランプになっても仮にも『テニスの王子様』だ。

女にはそれな りに人気はあるだろうに。



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