不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「守りたい、守ろうと思っている。だが、どうしていいのか」
俺には分からない。
お袋が俺の肩を抱いて
「無理に何かをしなきゃなんて涼が気張ることなんてないの。今までどおりに先輩と後輩…友達の関係でいいの。他愛ない話しをしたり遊びにいったり、そんなのでいいの。ね、恭介さん」
「ん、そして凛ちゃんが泣きたい時はさっきみたいに泣き場所になってやればいい。凛ちゃんの拠り所になってやれ。俺が志織の拠り所のようにな」
「き、恭介さん!」
「親父、よく息子にのろけるよな」
いいことを言うと思ったらやっぱり一言多いんだから。
お袋は真っ赤になってっし。
「ハハハ…お前も疲れたろ。もう寝ろ。明日また練習あるんだろ?」
「あぁ」
歯磨きをして2階に上がる前に
「親父、お袋、今日はありがとう。おやすみ」
「おやすみなさい。ゆっくり寝るのよ」
「ん」
だが、その夜はゆっくり寝ることは出来なかった。
陽菜が夜中にパニックに襲われ高熱を出して魘され続けた。
こんな陽菜を見たら先輩は大丈夫かと気にかかる。
そしてますます今日のことが重くのしかかる。