不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



校長室には俺の担任の南先生と悠と千葉先輩、水島先輩、片桐先輩の担任も顔を揃えていた。

そこに

「失礼します」

水島先輩と片桐先輩が。

水島先輩の顔も酷い。

青白くて目は腫れている。

「みんな大変だったね。藤倉君、妹さんは?」

「あ、はい。暫くはゆっくり休むようにと両親に言われて…俺が学校に来る時はまだ寝てました」

「傷の方は?」

「はい、それは大丈夫です。内出血と掠り傷なんで徐々に」

「うん。だがそれくらいで済んでよかった。それに…」

「……」

「妹さんが機転を利かして部屋を脱出したからよかったが、もし脱出できなかったら水島君もただでは済まなかったかも知れない 」

それはそうだ。

アイツの最終目的は水島先輩だったんだから。

陽菜を助ける為には水島先輩はアイツの所に行ってた。

当然、陽菜以上に酷い目に合わされるのは火を見るより明らかだった。



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