不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第3章 先輩(2)
日曜日
「じゃあ いってきます」
「頑張んのよ」
「あぁ、母さんも父さんと楽しんで来いよ」
「いや~だ、涼ったら」
お袋、真っ赤。
「フフフ…志織さん、可愛い」
「凛ちゃんまで…あ~恥ずかしい」
ホントに可愛いんだよな。
こんなデカい息子がいるなんて信じられない。
「じゃあ涼君、後から行くね」
「あ、はい」
何か先輩に声掛けられっとキンチョーする。
嫌なわけなんか勿論ないんだ。
けど…
「涼君?」
あっ!
「いってきます」
慌てて玄関を出て自転車で球場に向かう。