不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「よ、涼」
「悠、勝とうぜ」
「あぁ」
グラウンドに出て軽く練習を。
観客席も人が増えてきたようだ。
「あ、水島先輩だ」
他の部員からの声が。
やっぱり人気あるんだな。
「久しぶりだな、先輩が見に来るなんて」
えっ?
久しぶり?
て、ことは見に来てくれてたことあるんだ。
俺、全然知らなかった。
「おい、涼、何をボケッとしてんだ?」
「あ、何でもねえよ」
「あ、あれ、陽菜ちゃんじゃないのか?」
悠?
「な、何で陽菜ちゃんが水島先輩といんだよ?」
「悠、お前…水島先輩のこと知ってんのか?」
「はぁ?当たり前だろ。ってお前…知らなかったのか?」
「名前だけしか」
「はぁ~相変わらずだな。で、何で陽菜ちゃんと」
「陽菜が習ってるピアノの先生の娘さんだってさ」
「えっ?じ、じゃあお前知り合い?」
「ほんの2日前に知った」
「はぁ~ば~か!いや、知り合いなら紹介してくれ」
「えっ?」
「な、頼むよ」
悠…お前も先輩に憧れてんのか?
「涼」
「嫌だよ、かったるい。自分でしろよ」
「冷てぇ~友達がいのない奴だな」
何でだろ?
悠に先輩を紹介したくない。
いや、他の奴にもだ。
「おい、集合」
監督の声に
「うっす」
ベンチに集まって