不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



試合が始まり

実力的に互角だから試合は白熱してる。

――



俺達に逆転のチャンス

9回裏ツーアウトランナー一塁

二番 悠がヒットで繋ぎ一塁二塁

次のバッターは俺

何が何でもヒットで繋ぐ。

バッターボックスに立つ。

応援団の声援が凄い。

「お兄ちゃ~ん ガンバレ~」

陽菜と愛の声も聞こえる。

アイツ等一番前で応援してるから。

「ストライク」

2ストライク3ボール

次の一球で決まる。

バットを構えて

ピッチャーが振りかぶって…

「涼君、いけぇ!!」

先輩!

カキーン

俺は思いきり走る。

ボールは…

ショートの頭上を越えて落ちセンターの所へ

ヒットだ。

二塁一塁の二人がホームに返る。

や、やった。

サヨナラ勝ちだ。

ベンチに戻った俺に手荒い祝福が待っていた。

スタンドを見るとみんなが拍手をしてくれてる。

陽菜と愛も大声で

「お兄ちゃ~ん」

手を振ってる。

その横で先輩が満面の笑みで拍手を。

ドキッ!

――



あの時…

不思議と先輩の声だけが聞こえた。

その声に反応するようにバットが出た。

何でなんだろう。



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