不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「何がおかしいんですか?」
「何がおかしいって…これがおかしくないはずがないだろ」
「……」
そんなに変な事を言ったかしらね。
――
―
「さ、着いたぞ」
デパートの駐車場に車を停め陽菜の洋服を見に行く。
「中学生くらいになるともう大人物と変わりないな」
「そうですよね、陽菜はまだ体型が幼いけど発達してる子はいますからね」
「陽菜は可哀想にな」
「えっ?」
何で陽菜が可哀想なの?
恭介さんが私を見て
「お前に似てるからあまり胸の発育は望めない」
「な、何を」
めちゃめちゃ失礼じゃない。
「ククク…」
笑ってるし。
「は、発育が悪くてすみませんでした。で、でも」
「ん?」
「恭介さんだって嘘つきじゃないですか」
「俺がいつ嘘ついた?」
心外だと言わんかりの顔で私を見下ろしてる。
「だ、だって結婚したら胸大きくなるからって言ったじゃないですか」
人が周りにいるから小声で
「クッ!ククク…ハハハ…」
笑いだした。
周りが何事かと私達を見てる。
「恭介さん、声が大きいです」
「ハハハ…あ、あぁ。し、しかし ハハハ…」
まだ笑ってるし。
恭介さんの腕を取って歩き出す。
もう恥ずかしいたらありゃしない。
漸く笑いが収まったのか
「頼むし笑かすな」
私のせいにしてるし。
私、笑かした覚えなんてないからね。
恭介さんを睨んだら
「話の続きは後だ」
――
―
何か誤魔化されたような気がしないでもないけど…