不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「ん?どうした」
「フフフ…恭介さんは優しいですね」
「そうでもない」
へっ?
私の耳に唇を寄せて
「当然見返りを期待してる」
見返り?
恭介さんの顔を見ると口角を少し上げてニヤリと
「今晩はお前をプレゼントして」
「……」
「フッ」
「えっぇぇぇぇぇぇ」
「馬鹿!声がでかい」
慌てて口に手を当てるけど…
周りから注目を浴びていた。
「も、もう、恭介さんのせいですからね」
「クッククク…」
もう恥ずかしくて暫く此処には来れないじゃない。
早く立ち去りたいんどけど。
「お待たせ致しました。お間違えのないようにリボンの色を変えてありますので」
「は、はい。ありがとうございます」
ペーパーバックを受け取り恭介さんが支払いを済ませ
やっとデパートを出た。