不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第5章 告白
ピンポーン
ガチャッ!
「おかえり」
「ただいま。あらピアノ…凛ちゃんね」
「あ、あぁ。よく分かるね」
さすがお袋だ。
「フフフ…陽菜はこんな優しい弾き方じゃないもの」
ハハハ…
確かに。
陽菜は顔に似合わず力強く弾く。
親父達とリビングに行き
暫くして曲が終った。
パチパチパチ
親父とお袋が拍手してる。
「あ、おじ様、志織さん おかえりなさい。気がつかずごめんなさい」
「ううん、おかげで凛ちゃんのピアノをゆっくり聴かせてもらえたわ」
「ん。涼も感動してた」
「お、親父!」
何を言い出すんだよ。
「ほんと?ありがとう涼君」
「えっ?あ、あっと、いや」
「ククク…涼、しどろもどろだぞ」
親父のせいだろ。
睨んだら…
笑われた。
マジに性格悪い。
「お土産は?」
「プリン買って来たから晩御飯の後に食べましょう。凛ちゃんも食べて帰ってね」
「えっ?私はもう…」
「凛ちゃん、ご両親は何時に帰って来るんだい?」
「は、はい、先ほど連絡あって8時頃になるって」
「ん、じゃあ晩御飯食べて帰りなさい」
「おじ様」
「凛ちゃん、そうして。一緒に晩御飯食べよ、ね」
陽菜がまた先輩に抱き着いてるし。
「涼、陽菜を睨むな」
親父が耳元で言う。
「……」
誰も睨んでねえし。
「ククク…」
「恭介さん」
ほんとに何なんだよ。