不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「凛ちゃん」
「うん?」
「陽菜が凛ちゃんの妹になってあげるね」
「フフフ…ありがとう」
陽菜がちゃっかり売り込んでる。
「ハハハ…陽菜が凛ちゃんの妹になるんなら凛ちゃんに涼と結婚してもらわないとな」
はぁ?
「パパ、お兄ちゃんと凛ちゃんが結婚したら凛ちゃんは陽菜のお姉さんになるの?」
「そうだ。お兄ちゃんの奥さんならお姉ちゃんだろ」
「おじ様」
先輩が困ってる。
「恭介さん、凛ちゃんにも選ぶ権利があるんですから」
お袋…
先輩に選ぶ権利って
俺の立場はどうしてくれるの?
ホントど天然なんだから。
「ククク…ハハハ…」
親父は大爆笑してるし。
「先輩、この2人のことは気にしないで下さい」
「フフフ…ありがとう。私より涼君が困るよね」
何で俺が困るんだ?
「冗談でも私とだなんて」
「……」
「何言ってんの、凛ちゃん。凛ちゃんこそお兄ちゃんには勿体無いんだからね」
「陽菜ちゃん」
「あ~ぁ、私が男なら凛ちゃんと結婚出来るのになぁ」
「ハハハ…陽菜は凛ちゃんと結婚したいのか?」
「お兄ちゃんのお嫁さんになるくらいなら」
「ハハハ…「フフフ…」」
俺以外みんな笑いだした。
やはり陽菜は強力なライバルだ。
「陽菜ちゃん、別に結婚しなくても陽菜ちゃんは妹みたいなもんだから」
「うん」
陽菜は嬉しそうに引っ付いてる。
どんだけ好きなんだよ。