不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「涼君、ごめんね」
「えっ?」
「疲れてるのに送らせちゃって」
「疲れてないし、大丈夫だから…先輩こそすみません」
「えっ?」
「試合応援に来てもらって、子守りまでやらされて」
「ううん、私も楽しんでたから」
「でも」
「あ~もう無しにしよう。ね」
「は、はい」
「うん」
先輩がニコリと笑う。
俺の胸は激しく騒がしい。
胸に手をやってると
「どうかした?」
「へっ?あ、何でもないです」
「……」
「……」
「今日はお月様綺麗だね」
先輩が月を見上げてる。
「満月ですね」
「そうだね」
月の光を浴びている先輩は凄く綺麗で…
「…君、涼君」
ハッ!
「どうしたの?さっきから変だよ」
心配そうに俺の顔を覗き込んでる。