不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「涼君?」

「せ、先輩」

「うん?」

「好きだ」

「……」

「……」

あっ!

俺…今何言った?

先輩の顔を見ると… 呆気に取られてるつうかポカンとしてる。

「先輩、いや、凛さん。俺は凛さんが好きです」

こうなったら言うしかない。

「……」

「凛さんは…俺が嫌いですか?」

だけど俺…何で道の真ん中で告ってんだろ。

「あ、あのね涼君」

「はい」

「…からかってる?」

「な、何でからかうんですか?本気です。金曜日に初めて逢って…何だか先輩を見ると胸の奥で音がして…初めは分からなかった。だけど…」

「……」

「と、とにかく好きです」

「いや、好きって言われても」

「やはり…嫌いですか?」

「あ、ううん、嫌いじゃないよ。だけど急に言われても」

「……」

「涼君は陽菜ちゃんのお兄ちゃんだし、学校の後輩だし…友達って言うか弟みたいな」

弟…

「そ、それに涼君は学校のプリンスじゃない?彼女いるでしょう?」

「いません。いたらこんなこと凛さんに言いません」

先輩は俺のことを何だと思ってるんだ?

「ご、ごめん」


< 61 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop