不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「俺、あんなに俺様ですか?」
「俺様?ハハハ…おじ様は俺様かぁ」
「お袋がよく言ってます」
「フフフ…そうなんだ。じゃあ涼君も俺様かも」
「親父よりはましだと思います」
「フフフ…でも強引なところとか似てるよ。それに今のその顔も」
「……」
「ハハハ…ごめんごめん」
「ハハハ…」
俺も何かおかしくなってきて笑いだした。
「じゃあ先輩、行きましょう。遅くなった」
「うん」
――
―
先輩の家の前で
「涼君、ありがとう。送ってくれて」
「いや、こちらこそ…先いや、凛さん」
「……」
「俺達、友達ですよね」
「あ、う、うん」
「今はそれで我慢しますから…『友達辞めた』なんて言わないで下さいよ」
「……」
「友達辞める時は俺の彼女になる時ですから」
「涼君」
「じゃあ おやすみなさい」
「あ、うん、おやすみなさい」
先輩に鞄を渡して向きを返る。
――
―
「涼君」
先輩の呼ぶ声が
振り向いて
「ありがとう。おじ様達によろしく」
「…はい」
再び向きを返え家へ