不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



コンコン

「はい」

ガチャッ!

「勉強?」

「ううん」

「はい」

レモネードを机に置く。

「サンキュー」

「それとこれ、アンダーシャツ」

「うん」

お袋がベッドに座り

「ちゃんと送ってくれた?」

帰った時、お袋と陽菜は風呂に入っていた。

「あ、あぁ」

「そう、よかったわ。じゃあ明日の朝はいつもと一緒でいいのね 」

「ん。あ、母さん」

「うん?」

「親父さぁ」

「恭介さんがどうかした?」

「いや。母さんはどうして親父と付き合う気になったの?」

「えっ?」

「誠叔父さんが言ってたけど、本当にしつこく迫ったって」

「誠さんが?嫌だ~恥ずかしい」

お袋 真っ赤。

ホントに可愛いよな。

「ねぇ、どうだったの?」

「……」

「……」

「そうね、確かに。初めはね恭介さんのことなんて好きじゃなかったの」

「……」

「恭介さんには内緒ね」

「ん」

「恭介さんは社長で私は秘書。あの頃の恭介さんはね、厳しいし我が儘だし意地悪だし」

「それ、今もじゃん」

「ハハハ…今よりもっとね。何たって母さんのことを『子猿』って呼んでたのよ」

子猿!

母さんを?

あの親父は何を考えてんだよ。


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