不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「母さん」
「うん?」
「まだ親父に惚れてる?」
「えっぇぇ~…うん、惚れてるわよ」
「惚れるって…どんな気持ち?」
結婚して18年にもなるのにお袋は親父に惚れてるって言うし、親父もお袋に惚れてるって言う。
惚れるって…どんな気持ちなんだろう?
俺が先輩に抱いてる気持ちと同じなんだろうか?
「う~ん そうね。恭介さんを見ると今だにドキドキするわ。恭介さんが笑ってると母さんも嬉しくなるし辛い顔をしてると慰めてあげたくなる。フフフ…それにね」
お袋が悪戯っ子のような表情になって
「恭介さんが他の綺麗な女性を見ると苦しくなるの。母さんヤキモチ妬きだから」
可愛い過ぎるだろ、母さんは。
「ヤキモチ妬くことなんてないじゃないか。親父は母さん以外見てないから」
「フフフ…ありがとう。でも恭介さんかっこよすぎるから心配」
そのわりには笑ってるし。
「親父が聞いたら喜ぶな」
「内緒だからね。ますます図に乗るから」
「ハハハ…うん」
「さてと、じゃあそろそろ俺様の所に行こうかしら。いつまでもほっとくとまたご機嫌が悪くなるから」
「ハハハ…早く行ってやってよ。そうでないと俺にとばっちりがくる」
「フフフ…明日お弁当のおかず一品サービスしちゃうね」
「サンキュー」
お袋が部屋を出て行きかけ