不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
「涼君、これ」
紙バックを俺に
「何ですか?」
「金曜日に借りた英和辞典」
英和辞典?
あ、あの時の。
「返すの忘れてたの。鞄に入ってた。 困らなかった?ごめんね」
「いや、俺も忘れてたから」
「フフフ…そっか。じゃあね」
「せ、先輩」
戻りかけた先輩が
「うん?」
「き、今日は何時に帰られるんですか?」
「今日?う~ん授業の後に生徒会があるから5時頃かな」
「……」
そうだよな、クラブしてなかったらそんなもんだよな。
「どうかした?」
「えっ?あ、いや、あ、あの」
「フフフ…涼君どうした?しどろもどろだぞ」
茶目っ気たっぷりの笑顔で
ドキッ!
や、ヤバい。
「あの、携番とメアド教えて貰えませんか?」
「あれ、交換してなかったっけ?」
「あっ、はい」
「ごめんね、したもんだとばかり思ってた」
へっ?
先輩が携帯を出し
「じゃあ交換しよ」
「は、はい」
俺も慌てて携帯を出し交換した。
「ありがとうございます」
「此方こそありがとう」
「メールしていいですか?」
「フフフ…その為に交換したんでしょ? いいわよ」
「はい、ありがとうございます」
思わず頭を下げたら
「ハハハ…本当に体育会系ね。涼君、私達友達なんだからそんなに緊張しない で。ね」
「あ、はい。すみません」
「ハハハ…もう、すみませんもなしね」
「はい、すみません。あ」
「フフフ…「ハハハ…」」
2人して笑い出した。