不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
信号待ちをしていると
「あ、お兄ちゃん」
えっ?
「陽菜…先輩こんばんは」
涼君が隣に
「涼君、今帰りなの?」
「はい。陽菜お前なんで?」
「うん。自転車がパンクしちゃったから歩いて凛ちゃん所へ行ったんだけど夕方だから危ないから送ってくれるって」
「先輩すみません。陽菜こっちに乗れ」
涼君が荷物を退かそうとしてるので
「涼君、いいよ。もうそこだからこのままで。ね、陽菜ちゃん」
「うん。お兄ちゃん汗臭いから嫌だ」
「陽菜!お前なぁ」
涼君が少し赤くなって自分の匂いを嗅ぐように鼻をクンクンさせている。
それを見て私達は
「「ハハハ…」」
「えっ?」
涼君がきょとんと
「嫌だ~お兄ちゃん」
「涼君、匂わないから」
「あっ!」
今度は真っ赤になった。
フフフ…
本当に素直なんだな。
「涼君、信号青になったよ。行こう」
「はい」