不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
涼君と並走して
「凛ちゃん ありがとう」
「どういたしまして」
「先輩、ありがとうございました」
「涼君まで…よしてよ」
2人にお礼を言われて照れちゃう。
「あら涼、陽菜」
「ママ」
「志織さん」
「凛ちゃんも。どうしたの?」
私達の前に車が止まり窓から志織さんが今仕事からの帰りなのね。
「うん。自転車がパンクしてるので歩いて行ったの。だから凛ちゃんが送ってくれた」
「あらパンクしてた?凛ちゃんごめんなさいね」
「いいえ。じゃあ私はこれで」
自転車に乗ろうとすると
「凛ちゃん」
「はい?」
「急ぐの?」
「えっ?」
「陽菜がお世話になったんだしお茶くらい飲んで行って」
「えっ?」
「凛ちゃん、飲んで行って」
陽菜ちゃんが私の手を引っ張る。
「ね」
志織さんにニコッと微笑まれて嫌とは言えない。
「はい。ありがとうございます」