刹那
+.*プロローグ+.*
少女は少年を抱きしめた。
雫が雨に混じって少年の頬に落とされた。
刹那、少年は――――
♪
私――、湖冷 零羽(コヒヤ レイワ)は雪が降るなか、市内の総合病院へ向かっていた。
理由は幼馴染であり今年、『彼氏』というトクベツな存在になった朝生 翔(アソウ カケル)に会いに行くためだ。
ザクザクという音をたてながら真白い雪の上を歩いていく。
「バカ・・・・・・」
俯きながら私は呟いた。
今日は―――私の誕生日だ。
なのに・・・・・・
翔は、入院している。
風邪をこじらせ、それが悪化し肺炎になったらしい。
悪化した原因は私にあるのだけれど・・・・・・。
翔は生まれつき、病弱なのだ。
なのに私に会うからって、風邪ひいてるのに無理して・・・・・・。
はあ、と息を吐くと雪と同じくらい息が真白だった。
儚くて、すぐ消えてしまうイノチのよう。
私は見ていられなくなり、ゆるんだストライプピンクのマフラーをきつく閉めた。
「翔・・・・・・」
私は、衛生的な白に囲まれた病院内を歩いていた・・・・・・。
雫が雨に混じって少年の頬に落とされた。
刹那、少年は――――
♪
私――、湖冷 零羽(コヒヤ レイワ)は雪が降るなか、市内の総合病院へ向かっていた。
理由は幼馴染であり今年、『彼氏』というトクベツな存在になった朝生 翔(アソウ カケル)に会いに行くためだ。
ザクザクという音をたてながら真白い雪の上を歩いていく。
「バカ・・・・・・」
俯きながら私は呟いた。
今日は―――私の誕生日だ。
なのに・・・・・・
翔は、入院している。
風邪をこじらせ、それが悪化し肺炎になったらしい。
悪化した原因は私にあるのだけれど・・・・・・。
翔は生まれつき、病弱なのだ。
なのに私に会うからって、風邪ひいてるのに無理して・・・・・・。
はあ、と息を吐くと雪と同じくらい息が真白だった。
儚くて、すぐ消えてしまうイノチのよう。
私は見ていられなくなり、ゆるんだストライプピンクのマフラーをきつく閉めた。
「翔・・・・・・」
私は、衛生的な白に囲まれた病院内を歩いていた・・・・・・。