俺じゃない方が
『分からないだろ!! 自分と血の繋がった孫の方が死んで、血の繋がっていない孫の方が生きていたら』


『あなた!!』


『俺がお母さんなら思うよ。生きているのがカナタじゃなくてコウヤだったらって』


嘘だ……。


ばあちゃんはそんな人じゃない。


ばあちゃんは優しい人で、俺を本当の孫みたいに思って……


『死んでないよ!! 私の本当の孫は生きてる!! 生きてるんだ!!!』



その時に知ったんだ。


俺はばあちゃんに本当の孫として見られていなかった事を。




ばあちゃんは俺じゃなく、コウヤに生きていて欲しかったのだと。

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