俺じゃない方が
「毎日、毎日“コウヤ”って呼ばれて、コウヤのように接してこられると、段々自分がコウヤに思えてくるんだ」


親戚も周りの人も何故か俺を『カナタ』と呼ぶ事も、否定をする事もしてくれなかったからな。


唯一否定し続けてくれてた叔母さんも1年後には


『……コウヤ』


「だから、俺は高校入学とともにここから出たんだ。コウヤとしてじゃなくカナタとして生きるために」


そして、二度とここには戻らないと決めていたんだ。




この場所に俺の居場所はないからな。

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