俺じゃない方が
「話してくれれば良かったのに……そしたら私も帰ろうなんて……」


「話せるかよ!! コウヤとして生きてたなんて!!」


言えるわけがない。
お前だけには…お前だけには…知られたくなかったのだから。


「帰ろう。

コウヤ」


コ……ウ……ヤ。


「ご…ごめん……。カナ…」


バシッ!!!!


掴んでいたチカの腕を乱暴に離す。


「お前も思ってるんだな……。
コウヤの方が生きていたらって……」
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