箱庭


そうか、アセビはこれを見せたかったんだ


ぼくはすっとしゃがみアセビの花をつっついた



「うん、この花もアセビも、白くて綺麗だね。」



そしてぼくは白くて小さいアセビの頬に触れる…





「雨君ぼくの存在忘れてるでしょ」



ぼくはビクッと腕を引っ込めた



完全に忘れてた……



うわぁああぁぁあぁぁあ!!!



めっちゃ恥ずかしいぃ!



ぼくは心の中で叫んだ



「あはは、ぼくの娘に手出さないでくれるかな?」



「本当にもうしません。」



そのころ、ぼくたちの会話を聞いてアセビはコロコロ笑ってた



きっと意味がわかってないんだ…



「なぁんてね。冗談だよ!」



あははと上野さんは笑った



…どこまでか冗談なんだよ!



「いやぁ、でも…こんなに懐くなんて珍しいね。」



「へ?」



ぼくは動揺のあまりみっともない声が出てしまった



「ん?いや。」



ん…そう言えばアセビちゃんは今年で15になるんだよねぇ?



なんて言ってニヤニヤする



…あれ?15にしては、幼い気がする…何かあるのかな?

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