箱庭
「あの、アセビって少し子供っぽいですよね?」
なんかあるんですか?
思い切って聞いてみる。
「ん?いや、色々あってね…」
上野さんは語尾を濁した
…これ以上聞かない方が良さそうだな
上野さんは思い出したかのように手を叩いた
「そうだアセビちゃん、ぼくの名前は覚えてるかい?」
にぱっ
…
その笑い方やめれば上野さん絶対かっこいいのに…
思わず笑い声がもれる
「………?」
首をちょこっと傾げたアセビに、上野さんは、う、え、の、と熱心に教えている
「う、え、の?」
「そうそうそうそう!!」
上野さん、嬉しそう…
「よし。僕は目的果たしたぞ!…雨君、そろそろ帰ろうか。」
もうそんな時間…?
アセビと、いると時間の感覚がなくなるような気がした
アセビは、相変わらずニコニコしている
「アセビ明日もくるね?」
まだここに居たいけど…明日、明日また…
そう言うとアセビは、大きく頷いた