箱庭
ぺたぺたとぼくは廊下を歩く。
事務のおじさんに身分証明書を出して、エレベーターへ続く廊下を歩いた。
やはりこの時間帯だと人がいないな…
エレベーターに近づくと見たことのある人影があった
…誰だ?
「…美由紀さん!」
そこにいたのは、金髪の髪を一つで結んだ、事務のお姉さんだった
「あら、おはよう。はやいわね。」
こんな時間に会うなんてすごい偶然だな…
ぼくと美由紀さんはエレベーター
に乗った
「美由紀さんは何階ですか?」
「嗚呼、三階よ。」
ありがとうと、にっこりと微笑んだ
「あ、今日はアセビに会いに庭に来るんですか?」
「…今日はアセビちゃん庭にいないわよ?」
…え?
アセビがいない?
「ど、どうしてですか?」
ぼくは美由紀さんの顔をじっと見た
「んーと…ねぇ。
上野さんに聞いてみてごらん。」
「上野さんに…ですか。」
ポーンと軽い音が鳴る
3階についたみたいだ
美由紀さんは、そうそうと軽い返事をしてエレベーターから降りてしまった
上野さんか…