箱庭


おじさんはわたしより大きなドアに手をかけた



失礼しますと小さい声で言い軽く頭を下げた



「あの……すいません。この子知りませんか?」



椅子に座っている数人が一斉に机から目を離した



「なんか迷子になったらしいんですけど……誰かのお子さんですか?」




…ガタッ!



「アセビちゃん!?」



わたしは、声が聞こえた方を振り向いた





「……………みゆき………」




そこには驚いた顔をしたみゆきが立っていた



「なんでここにいるの?どうやって来たの?」




みゆきはそう言ってわたしに近づいてくる



「ねぇ?」




みゆきはわたしの目の前にしゃがんで言った




……………




「あめに会いたかったんだもん。」



嗚呼、早く会いたい…


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