箱庭


「私は、昔の事なんて気にすることないと思うけどね。」




「で、でも、僕達のせいでアセビが犠牲になってあんな…箱庭に…」




静かすぎる廊下に声が響く




「…箱庭……確かにそうね。でもアセビちゃんはそこでしか生きられないのよ。」




「っ…!」





「雨君、真実は残酷だねぇ…。」




上野さんの言葉が頭をグチャグチャにする




「僕は…どうすればいいんだ!どうやったら…償えるんだよ……。」





「…アセビが雨君に会いたくてあそこを抜け出したって知ってる?」



「…え?」

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