光と闇の境界線(短くて、短いお話)
「―――いたいた。
またこんなところに」
その時、ふいに背後から聞こえた声で
私は反射的に肩を揺らす。
「げ」
「…なにその微妙な反応…」
「…べつ」
ふい、と顔をそらし、
また夜空を仰ぎみる。
「お前ってさ、ホント星好きだよな」
なんて、笑いながら言って
私の隣に腰掛けた。
「…別に好きじゃないし」
「じゃあ何だし」
「真似すんな」
そう言うと、いつものように
ハハハ、と彼は笑う。
「…だって、星は儚いじゃない」
朝になったら、跡形もなくなくなり
消えてしまう。